2007 3月 6 のアーカイブ

コートの脱色直し

通常のクリーニング店の、朝お預かり夕方お渡しで脱色直しなんて不可能だ。
システムとして混乱する。
はっきり言って、出来ないよりは出来た方が良い。
これは、みんな判っている。
「これ以上しみ抜きをしますと、色が抜けるのでこれ以上は出来ません。」
クリーニング店の歌い文句。
本当にそうなのか?
なんで色が抜けるって判る?
どこかで試験をして色が抜けたのか?
嘘つきじゃん!
そんなお店に当たった、消費者は可哀相だ。
シミが取れれば着られる服もシミが落ちなくて、ゴミとなる。
消費者も、しっかりとした目でクリーニング店を選らぶ必要がある。
クリーニング=みんな同じ
そう思っている人は、予想以上に多い。
以前は、そんな事を考えていたが
最近、考えが変わった。
今は、それもビジネスとして仕方がないのかな。
と思い始めている。
そういうクリーニング店もアリだと思うようになった。
クリーニング店が全部、しみ抜き専門店である必要は無い。
安くて早くてソコソコであれば良い。
そう思う消費者だって凄く居る。
僕は、それが嫌で独立をした。
だけど、それを他のクリーニング店に押し付ける必要は無いんだ。
慈善事業じゃないのだから、ビジネスにならない事をする必要は無い。
ただ、僕はヤダ。
治せる物は治したい。
喜んでもらったら嬉しいもん。
なんて事を考えながら脱色を直した。
脱色直しってのは、僕の経験上だが
自転車に乗るようなものだ。
いきなり出きるようになる。
僕の教えた人はそうだった。
曲芸をするにはかなりの特訓が居るが、
乗るだけならそれほど難しくは無い。
でも、みんな乗る前に諦める。
乗れるまで頑張ればいいのに。
ただ、後ろで支えてくれる人が居ればもっと早く乗れるようになるよね。
学生さんから、脱色したバーバリーのシャツが送られてきた。
品物が到着し、学生さんに電話をかける。
「これは、ほとんど判らないぐらいまでは十分直りますよ!」
「ホントですか?良かった〜。」
この学生さんは、しっかりとした人でとても好感が持てた。
無駄な話も、かなりしてしまいました(笑)
なんか嬉しくてね。ゴメンナサイ。。。
「まだ数回しか、着ていないシャツで、同じ物はもう販売されていないのです。」
その言葉にガゼンやる気が出た。
確かに、柄はよくあるバーバリー柄なのだが、デザインが変わっている。
「学生さんで、ふんぱつして買ったんだろうな。これは高くは取れないな。」そう思った。
こういう事をしてはいけないんですよね。本当は。
シミ研の料金の基準でキッチリしなければいけないのだが、
情っていうか、まあ学生割引です(笑)
脱色の直しは、料金を貰わないと合わないんですよ。
かかる時間が、ハンパではないですからね。
脱色箇所がオレンジになっていますから、染色のベースは反対色の青です。
しかし、これも青単体では直りません。
緑3・青紫2・赤1・黄色1の割合で、
濁った青を作り色が合った事を確認してピースで一気に吹きます。
緑+青紫=青です。
僕は色がけに数学を使って教えます。
緑1・青紫・赤1・黄色1=黒(グレー)な訳です。
そうすると
緑3・青紫2・赤1・黄色1 = 緑2+青紫1+グレー という方程式になりますね。

  before         after脱色の修正脱色の修正2  ↑クリックすると大きいサイズで表示されます

学生さんにえらく褒められた僕は、嬉しくなるのと同時に
僕の就職活動についても思い出した。
僕はHPでも、ラジオでも「1つ屋根の下」というドラマの影響でクリーニング店に就職しました。
と、よく言っている。
今の学生さんは、江口洋介の1つ屋根の下は知らないだろうな〜。 
クリーニングで直らない・染み抜きで直らない
これが脱色というやつですね。
色が抜けてしまった状態ですから、染み抜きしてももちろん駄目。
抜けた色を、筆やピースで染色します。
今回は、脇の脱色です。
現在、この色の服ばかり4着届いています。
皆さん、「脇ジミです」と記入されている。
やはり判らないんでしょうね。
我々は、一応プロだから見ただけでわかるんですが
一般の人はシミに見えてしまうんでしょうね。
正直、染色は儲からない。シミ研はね。
と、言いますのは、かかる時間が半端では無い。
なので、利益が非常に出にくい訳です。
よく、「色がけが出来れば、染み抜きは怖いもの無いね!」と言われます。
逆ですね。
色がけの辛さを知っているからこそ、地色を抜かずにシミを抜く方法を考えるんです。
なのでアイテムも必要になる。
地色ごとシミを抜く→染色は、本当に最後の最後の手段。
しかし今回のは最初から脱色していますから、もう染色しか無い訳です。