先週の土日、妹と弟が泊りに来た。

僕は早速、この前発見した昔のアルバムを押し入れから取り出し見せた。

僕や弟が小さい頃や、両親の若かりし頃の写真を見て懐かしむ。
その時、一枚の写真に目が留まる。

僕と弟の写真。

2人でカメラに向かいポーズを決めている。
「ああ、昔は弟もこんな感じだったな。」

そう思った瞬間、何故か記憶に母さんの泣き顔がよみがえった。

 

 

 

 

たぶん、僕が小学校低学年で、弟が3歳か4歳の頃の記憶。

弟は、キャラクターのパンツをはいてキャッキャと走り回っている。

どんなキャラクターだったんだろ。仮面ライダーみたいなやつだったかな。
弟は、初めてキャラクターのパンツをはいて興奮している。

当時、僕らは公務員宿舎で生活をしていて、

その時、たまたまお隣さんが遊びに来ていた。
「ねえねえ、いいでしょ!このパンツ!」

そう言って、ズボンを脱ぎ捨てパンツをお隣さんに見せる弟。
凄く嬉しいらしい。

 

横を見ると母さんが泣いている。

「何でお母さん泣いているの?」と、子供の僕は聞いた。
母さんは、

僕のお下がりのパンツで喜んでいる弟を見て

申し訳無いと思い、そして、買ってあげられない不甲斐なさを感じていたらしい。
「本当は、新品の新しい下着を買ってあげたいんだけど」

そう言った母さん。

弟がはいているパンツのキャラクターは、明らかに時代おくれ。

僕のお下がりという事は、1年以上も前に流行ったものだから。

 

 
当時、僕の家はけして裕福ではなかった。

親父は公務員で、母さんは専業主婦。そして、子供は3人。
僕は長男なので、最初に何でも買ってもらえた。

そして、それが当たり前だと思った。
誰かが、違うおもちゃを持てば

僕も欲しいと両親を困らせた。
もちろん、お金の事なんて考えた事も無い。
そんな中、母さんが見せた涙。

当時、僕には判らなかった。

 

 

 
けどね、母さん。

今の俺には判るよ。

 
親になって、あの涙の意味が

わかるようになったよ。

コメントは受け付けていません。